この度、亀井智子前理事長の任期満了に伴い、2022年6月に理事長を拝命いたしました。聖路加看護学会は、1996年の設立以来、一貫して、看護実践の質の向上に貢献する人材育成、研究開発に尽力しております。さらに、若手研究者・実践者の活躍を推進するため、学術集会での発表の場を設け、研究助成も積極的に行っております。これまでの役員ならびに会員の皆様が培ってくださった豊かな伝統と自由な文化を礎に、より開かれた学会へと発展させることに力を尽くしてまいる所存です。会員が集い、議論・交流し、新たなものを産みだすことができる学会を共に創ってまいりましょう。

片岡弥恵子理事長のビデオメッセージ(約2分)

理事長  片岡弥恵子

一般社団法人 聖路加看護学会の特徴

 本学会は設立当初より、とくに看護実践を重視し、看護実践の質の向上と看護学の発展に貢献することを目的として活動してまいりました。聖路加という冠は、常に置かれた状況下で最善を尽くすという意味が込められたもので、設立時から引き継がれたものです。しかし、これは聖路加に関連するメンバーに会員を限定しているというものではありません。学会の目的に賛同され、看護実践、看護教育、看護学の研究に携わる方はどなたでも入会することができる開かれた学会です。

 また、本学会は、日本学術会議協力学術研究団体として、学術会議との連携をもっています。定期的に発信されるニュースレターなどを会員にいち早くお届けし、国内の科学者コミュニティで何が起こっているのかをお伝えしています。

 当学会の学会誌は、早くからダブルブラインド方式を採用した専門家によるピアレビューを実施し、質の高い論文を発信してきました。これまで聖路加国際大学のリポジトリ上で公開してきましたが、2020年3月からは、医学系文献や医療情報サービスの総合サイトにも搭載し、論文が多領域の検索者の目に触れる機会を増やすようにしました。また、多言語の国際文献検索データベースでの公開を現在検討しております。掲載される論文が、国内外の実践家や研究者の目に触れることで、活用をますます盛んにしていきたいと考えております。

一般社団法人 聖路加看護学会の活動

 本学会は、看護実践の質の向上と看護学の発展に寄与するため、学会誌を年2回刊行しています。このほか、ニュースレターの発行、学術交流会の開催、高度実践看護開発の検討、実践研究への助成、日本看護系学会協議会、および看護系学会等社会保険連合への参与、そして学術大会の開催など様々な活動を行っております。2020年4月には、COVID-19感染拡大への対応として、厚生労働省からの要請に応じ、会員を保健所の電話相談員として派遣しております。

 本学会は、国内外を含む多様な場においての看護実践、看護学生や看護師、保健師、助産師の教育・研修、看護倫理、看護の歴史や変遷、看護管理に関することなど、幅広い研究領域を扱っています。 看護の対象についても、出生前から高齢者まで年齢を問いません。

 看護の多様性を受け入れ、学術活動を続ける当学会は、会員の皆様の研究成果の発表、ならびに学術交流の場として、ご活用いただければと存じます。

 また、学生・大学院生の皆様には、看護研究者への登竜門として当学会での演題発表デビューの機会となれば幸いです。

皆様へのお願い

 一般社団法人聖路加看護学会では、会員を常時募集しております。看護の実践・教育・研究の場で働く方はもとより、大学院生・学生の入会を歓迎します。

 入会者は、論文投稿を行うことができます。実践や教育・研究成果を広く公開するために、論文投稿をお願いします。論文の種類は、総説、論説、原著の他、研究報告、実践報告、資料があります。主題に応じてお選びください。

 学会からの情報は、主に電子的に行っていますので、電子メールの登録をお願いいたします。

学会のこれから

 先般の将来構想委員会では、会員種類に市民枠を設け、学術集会に看護の利用者である市民の参加や発表を歓迎すること、学会誌への投稿論文を増やすため、会員や代議員を通じて、優秀な卒業論文・修士論文・博士論文を学術集会の場で発表できる機会を増やすこと、論文の投稿から掲載決定までの時間を短縮化し、受理後速やかに公開されるような仕組みを作ることなどが挙げられました。これらを検討しながら、より魅力と発信力のある学会として発展するよう、微力を尽くしてまいります。

 最後になりましたが、2019年度末から世界的パンデミックを引き起こしたCOVID-19への対応では、実践・教育・研究の第一線で活動されるすべての会員の皆様に敬意を表しますとともに、まだ先が見通せない中で苦悩を抱える人々にとって、本学会から発信する看護の情報が届き、活用されますことを切に願います。どうぞよろしくお願い申し上げます。